恋する5秒前~無愛想なキミと~
「まあ、環には好きな人がいるみたいだし、ダメ元で告白したらスッキリするわよって言ったのよ。」
「好きな人がいるって、香奈は私に確めもしないでそんなことを言ったの?」
「そんなの、聞かなくても分かるわよ。桜井君の事が好きで堪らないって顔をして毎日彼を見ているんだもの、それくらい誰だって分かるわよ」
断言した香奈に返す言葉がなかった。
だから、瀬戸君も私が桜井君の事が好きだと気づいたんだ。
「で、どうするの?環」
「どうするって?」
「桜井君へ自分の気持ちを伝えるんでしょ?いつにするの?」
そうだよね、肝心な事を忘れていたよ。
残る課題は告白のみ。
どのタイミングで告白したらいいか、昨日からずっと悩んでいるんだ。
香奈にアドバイスをしてもらおうと思っているんだけど
「終業式の日にしようかと思ってるんだけど、どうかな?」
「どうって言われてもねぇ。私は桜井君じゃないからなんとも言えないよ、環。でも、どうして終業式の日にするの?」
苦笑いをしながら私に確認する香奈。