恋する5秒前~無愛想なキミと~
その日の夜。
スマホからLINEの通知を知らせる着信音が鳴り出した。
誰だろ?
画面を開くと相手は香奈だった。
「どうだった?」
そっか、香奈は私が今日桜井君に告白したと思ってるんだ。
私は今日の出来事を彼女に伝えた。
「そっかぁ、残念だけど、まだチャンスはいくらでもあるから、諦めちゃダメだからね!」
「うん、頑張るね」
「そうだ!環」
「どうしたの?香奈」
「2月にバレンタインデーがあるじゃない?その時に告白したら?」
忘れてた!
女の子の一大イベント、バレンタインデー。
今まで義理チョコを贈ったことしかない私には無縁だったから気づかなかったよ。
そっか、この日を使えば良いんだ!
バレンタインデーは来年の2月14日。
まだまだ時間はたくさんある。
準備に時間も掛けられるから良いかも。
「ありがとう、香奈。私、バレンタインデーに告白するよ」
「頑張って、環。いつでも協力するから、その時は私に言ってね」
私はバレンタインデーの日に桜井君へ告白することを決めたんだ。
香奈とのLINEを終わらせると、近くにあったお菓子作りの雑誌を手に取った。
どんなチョコをあげよう。
上手く桜井君へ告白できるかな?
私の中では既にバレンタインモードに切り替わっていた。