恋する5秒前~無愛想なキミと~
「……公園?直ぐそこの公園なら、2人で行ってくればいいじゃない?」
家から5分ほど歩くと小さな公園があって、2人でよくその公園へ遊びに行ってるのに。
「あそこの公園じゃなくて、駅の反対側にある総合公園だよ」
「駅の反対側?」
駅の反対側って、ここから歩いて20分は時間がかかる、あの大きな公園?
「そうだよ、未来があの公園へ遊びに行きたいんだって」
リビングの壁時計を見ると時刻は午後2時30分になるところ。
今から行ってもそんなに遊べないと思うけど……。
「今から行っても公園へ着くのは3時過ぎだよ。そんなに遊べないだろうし、早く帰らないとパーティーできなくなっちゃうと思うよ。明日公園へ行こうよ」
「明日はダメなんだよ。今日行きたいんだよっ!」
首を縦に振らない私にイラつく翔。
「未来も、パーティー少し遅れてもいいから、今日行きたいの。お願い、タマちゃん!」
普段なら私が言うと素直に従うのに、今日はなぜかしつこく言ってくるなぁ。
「そこまで言われたら、仕方ないなぁ。2人とも準備をして、公園へ行くよっ」
「うん!」
未来と翔に懇願されて私は渋々OKを出すとソファから立ち上がった。