恋する5秒前~無愛想なキミと~

「……公園?直ぐそこの公園なら、2人で行ってくればいいじゃない?」


家から5分ほど歩くと小さな公園があって、2人でよくその公園へ遊びに行ってるのに。


「あそこの公園じゃなくて、駅の反対側にある総合公園だよ」


「駅の反対側?」


駅の反対側って、ここから歩いて20分は時間がかかる、あの大きな公園?


「そうだよ、未来があの公園へ遊びに行きたいんだって」


リビングの壁時計を見ると時刻は午後2時30分になるところ。


今から行ってもそんなに遊べないと思うけど……。


「今から行っても公園へ着くのは3時過ぎだよ。そんなに遊べないだろうし、早く帰らないとパーティーできなくなっちゃうと思うよ。明日公園へ行こうよ」


「明日はダメなんだよ。今日行きたいんだよっ!」


首を縦に振らない私にイラつく翔。


「未来も、パーティー少し遅れてもいいから、今日行きたいの。お願い、タマちゃん!」


普段なら私が言うと素直に従うのに、今日はなぜかしつこく言ってくるなぁ。


「そこまで言われたら、仕方ないなぁ。2人とも準備をして、公園へ行くよっ」


「うん!」


未来と翔に懇願されて私は渋々OKを出すとソファから立ち上がった。

< 250 / 297 >

この作品をシェア

pagetop