恋する5秒前~無愛想なキミと~

「やっと着いた!」


支度時間に手間取って家を出るのが遅くなってしまった。


未来と翔に急かされて歩くこと約20分。


なんとか総合公園までやって来た私達。


「タマちゃん、こっちへ行こう!」


翔が前を歩き、その後を未来に手を引かれて歩いていくと大きな木の前で止まった。


「タマちゃん、私と翔くんからのクリスマスプレゼント。いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう」


「姉ちゃん、いつも学童へ迎えに来てくれてありがとう」


「お兄ちゃん、出てきていいよぉ」


「お兄ちゃん?」


未来が大きな声で誰かを呼んだ。


すると木の影から大きな人が表れてきた。そして


「未来、翔。協力してくれてありがとな!」


私の目の前に表れたのは


「桜井君、どうしてここに?」


「俺がコイツらに水野をここまで連れて来るように頼んだんだよ」


決まり悪そうな顔をして説明する桜井君だった。

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