恋する5秒前~無愛想なキミと~
「タマちゃん!ママが迎えに来たから帰るねぇ!」
「姉ちゃん、早く帰って来いよ」
気づたときには未来も翔も里美ちゃんの隣に立っていた。
「環、ゆっくり話してから帰ってきなさい」
「桜井君、環を頼んだわよ」
「はい、分かりました。ありがとうございます!」
桜井君が里美ちゃんにお礼を言って頭を下げた。
未来達が帰った後、私と桜井君は近くにあったベンチに座った。
「未来達に頼んだってどういうことなの?」
なにがどうなっているのか、訳が分からずにいると
「これなんだけど……」
差し出されたのは可愛らしい封筒。
「これって未来が書いた手紙だよね?」
「あぁ」
桜井君、大事に閉まってくれていたんだ。
彼のさりげない優しさを感じて胸の奥がジンと熱くなった。