恋する5秒前~無愛想なキミと~
「あぁ、コイツらの言うことは俺と一緒だなって」
そう話すと桜井君は姿勢を正すと
「水野」
「なに?」
「お前を呼び出したのは話があるからなんだ」
「なんの話?」
「そんな急かすなよ。最後まで俺の話を聞いてくれるか?」
念を押す桜井君。
「うん、最後までちゃんと聞くから」
私の返事を聞いて桜井君は首肯くと話始めた。
「実は、俺が水野の事を知ったのは1年の時だった」
「そんな前から私の事を知ってたの?」
秀才でも美人でもない、平々凡々な私のことを知っていたなんて……。
「水野の顔、すげぇ変な顔をしてる」
驚きを隠せないでいると桜井君はプッと吹き出して笑いを堪えている。
「そんな、変な顔なんてしてないもん、桜井君が変な事をいうからだよ」
頬を膨らませて反論すると
「俺、変なことなんて言ってねえし、お前の方が勘違いしてるんだろ?」
「いたっ!」
そう言って私の額をデコピンする桜井君。