恋する5秒前~無愛想なキミと~
どうしよう、怒らせちゃったかな?
「そんな、思ってないよ。ただ、私のことが好きだなんて信じられなくて、つい……ごめんね」
「なんだ、俺のこと信用されてねぇのかと思った。キツいこと言って悪かったな」
「ううん、誤解を招くような言い方をした私もいけないんだから」
「俺は、お前の真っ直ぐにひたむきで、一生懸命な姿に惹かれたんだ」
「桜井君」
「お前の力になりたいし、困った時は助けたいし、守ってやりたい。それは今でも思ってる」
こんなに思ってくれていたなんて……。
私はなんて返事をしていいのか分からなくて桜井君の話を黙って聞いていた。
「あの日からずっと、俺は水野のことだけを見てきたんだ。例え邪魔が入ってきても俺にはお前しかいない。俺が好きなのは水野環だから」
「あ、ありがとう、桜井君。私……」
「なあ、水野。お前は俺のこと、どう思ってるんだよ?」
いきなりその質問!
どうしよう?不意をつかれて心の準備ができていないよ。
でも、桜井君が先に気持ちを伝えてくれたんだもの。私も自分の気持ちを正直に伝えなくちゃ。
諦めていた告白。
さぁ、勇気をだして。