恋する5秒前~無愛想なキミと~


「お邪魔しました!」


「すっかり遅くなっちゃったわね、桜井君駅まで送るから、ちょっと待ってて!」


「はい、すみません」


楽しい時間はあっという間に過ぎて、時刻は8時半を過ぎていた。


桜井君と玄関を出て待っていた。


「水野」


「なに?」


顔を上げると額にチュッと音がして何かが触れてきた。


「誰が見てるかわかんねぇからな、クリスマスプレゼントの変わり」


「う、うん。ありがとう」


おでこにキスをされちゃったよ。


頬を赤らめながらお礼を言う私。


そうだ!


私もプレゼントの変わりになるものはないかな?


「ごめんね、桜井君。プレゼントの変わり、これで許して!」


プレゼントの変わりに思いついたのは、桜井君をぎゅっと抱き締めたんだ。


私の精一杯の気持ちを表したんだけど、届いたかな?

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