恋する5秒前~無愛想なキミと~
「それだけ環の事が好きなのよ、桜井君は」
「そ、そう?」
改めて言われると、なんか照れちゃうな。
「だって、毎朝一緒に登校しているんでしょ?」
「うん、向こうも放課後はバスケ部の練習があるし、私も未来達のお迎えがあるから、一緒にいられるのは朝だけなんだよ」
朝早くなら人目も気にしなくていいし、ゆっくり話しもできるしね。
「こうやって色々聞いてみたけど、環と桜井君、けっこうラブラブだと私は思うけど?」
ラブラブ?
私達のどこがラブラブなの?
「ラブラブって、もっとこう、なんて言うか、くっついて離れなかったり、二人の世界に入っていることを言うんじゃないの?」
「まあ、環の言うことも当たってはいるけどさ、私には環達の様子を聞いてると充分ラブラブだと思うから、心配することないわよ」
「そう?」
「そうよぉ、余計な心配をして桜井君との仲をこじらせたくないでしょ?」
「うん」
「だったら桜井君を信じるしかないわよね」
自分で言って首肯く香奈。