恋する5秒前~無愛想なキミと~
「そっか、信じるしかないんだよね」
やっぱり、香奈もそう考えるんだね。私と同じだ。
「色々アドバイスしてくれて、ありがとう、香奈」
「どういたしまして、あっ、こんな時間!私、帰らなくちゃ!」
気づけば時計の針は夕方の6時を指すところ。
「こんなに時間が経ってたんだね、気づかなかったよ」
けっこう長い時間話し込んでいたみたい。
「環、私、これから塾に行かなくちゃいけないから先に帰るね!」
「うん、気をつけて」
香奈はカバンを持つと、慌てた様子で私に手を振りながら出ていったんだ。
他の人から見ると、私達はラブラブに見えるんだね。
自分では感じなくても、他の人から見れば、そう感じることもあるんだね。
ひとつ勉強になったかな?
お店から出て薄暗くなった空を見上げた。
あの星、なんて言うんだっけ?
キラキラ輝く星をしばらくの間眺めていた。