恋する5秒前~無愛想なキミと~

「そっか、信じるしかないんだよね」


やっぱり、香奈もそう考えるんだね。私と同じだ。


「色々アドバイスしてくれて、ありがとう、香奈」


「どういたしまして、あっ、こんな時間!私、帰らなくちゃ!」


気づけば時計の針は夕方の6時を指すところ。


「こんなに時間が経ってたんだね、気づかなかったよ」


けっこう長い時間話し込んでいたみたい。


「環、私、これから塾に行かなくちゃいけないから先に帰るね!」


「うん、気をつけて」


香奈はカバンを持つと、慌てた様子で私に手を振りながら出ていったんだ。


他の人から見ると、私達はラブラブに見えるんだね。


自分では感じなくても、他の人から見れば、そう感じることもあるんだね。


ひとつ勉強になったかな?


お店から出て薄暗くなった空を見上げた。


あの星、なんて言うんだっけ?


キラキラ輝く星をしばらくの間眺めていた。

< 269 / 297 >

この作品をシェア

pagetop