恋する5秒前~無愛想なキミと~
「ご、ごめんねっ。桜井君、こんなこと言われて困るよね?」
同じことを聞かれてさぞかし迷惑してるだろうと思って彼に確認してみたら
「別に、俺なんとも思ってねぇから。それより、水野」
「な、なに?」
「早くお前ん家、連れてけよ」
「は、はい」
お迎えに寄っていたから、かなり時間が経っていたみたい。
無愛想王子様の機嫌が悪くならないうちに早く帰らなきゃ!
「翔、未来。さあ、お家に帰るよ」
「はあい。未来、またお兄ちゃんと手を繋ぎたい」
「なんだよ、未来。ずるいぞ」
「ほらほら、2人ともケンカしないで、帰るよ」
私は弟たち2人と桜井君を引き連れて歩き出した。