恋する5秒前~無愛想なキミと~

季節は過ぎて6月半ば。


5日前に梅雨入りし、空は今にも雨が降りだしそう。


桜井君と私の関係は特に進展もなく、顔を合わせれば時々会話をするくらい。


休み時間、香奈と休日にショッピングへ出かけようかと話しているところへ陽子ちゃんがやって来た。


「陽子ちゃん、どうしたの?」


ニヤニヤしながら教室の中を見回す陽子ちゃん。


なんだかイヤな予感がする。


陽子ちゃんはすぐ近くの空いてる椅子に座ると小さな声で


「ねぇ、知ってる?」


「なにが?」


陽子ちゃんの問いかけに香奈が反応した。


「うちのクラスにさぁ、高森遥って子がいるでしょ?」


高森さんって確か……あれ?


聞きおぼえのある名前だけど、思い出せないよ。


喉元まで出かかってるのになぁ。思い出せない自分にイライラしていたところに

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