恋する5秒前~無愛想なキミと~
その日の昼休み。
教室で香奈と二人でお弁当を食べていた。
心がモヤモヤしている時は本でも読んでリフレッシュしたい。
そうだ!図書室へ行ってこよう。
思い立った私は
「香奈、これから図書室へ行ってくるね」
「図書室?」
「この前読みたい本を見つけたから借りに行ってくる」
「いってらっしゃい。次の授業は英語だからね」
「うん、分かってる」
私はお弁当箱を急いで片付けて教室を飛び出した。
ここは相変わらず静かだな。
図書室の入ると生徒の姿はあまり見掛けない。
足音が出ないように静かに歩いて目的の本棚までやって来た。
確か、タイトルは…………。
棚の上から順番に背表紙に書かれたタイトルを見て、お目当ての本があるか確認していた。
あ、あった!
探してから直ぐに見つけたのはいいけれど、肝心の本は棚の一番上の段に並べてあった。