恋する5秒前~無愛想なキミと~
「食べながら話そっか」
「そうしよっか」
私は頷くとチーズケーキをひと口放り込んだ。
「うーん、この問題は環の気持ち次第じゃないかな」
「私の気持ち次第?」
「環の気持ちがはっきりしないから前に進めないんじゃないの?」
「それは、そうだけど」
やっぱりな、そう言われると思ってた。
「まあ、中学のときみたいに私が間に入ってあげてもいいけど?」
話が上手い香奈にお願いすれば呆気なく解決しそうだけれど、これは私自身の問題だもの。
いつまでも香奈に頼ってないで、自分で解決しなくちゃ。
「大丈夫、自分でなんとかするから」
「そう言うと思ってた」
香奈はニッコリと笑ってケーキをひと口頬張った。