恋する5秒前~無愛想なキミと~
家に着いたのは6時過ぎ。
「ただいま」
玄関の中へ入り靴を脱いでいると
「タマちゃん、おかえりぃっ」
未来がリビングから飛び出してきた。
「わわっ!未来、ちょっと待って!」
「えっ?」
私に飛び付こうとしている彼女に待ったを掛けた。
「ケーキ、買ってきたから皆で食べよう」
そう言って未来に可愛らしい花柄の箱を見せた。
途端に満面の笑顔を見せる未来。
「わぁ、ケーキだぁ。翔くーん、タマちゃんがケーキ買ってきてくれたよぉ」
「未来、本当かぁ?」
ふふふ、翔は未来の言うことを疑ってる。
翔は実物を見るまでは信じない性格だもんね。
可愛いなぁ。
ケーキ1つで笑顔になるんだもの。
良かった、お土産を買ってきて。
私も自然と笑顔がこぼれた。