恋する5秒前~無愛想なキミと~

家に着いたのは6時過ぎ。


「ただいま」


玄関の中へ入り靴を脱いでいると


「タマちゃん、おかえりぃっ」


未来がリビングから飛び出してきた。


「わわっ!未来、ちょっと待って!」


「えっ?」


私に飛び付こうとしている彼女に待ったを掛けた。


「ケーキ、買ってきたから皆で食べよう」


そう言って未来に可愛らしい花柄の箱を見せた。


途端に満面の笑顔を見せる未来。


「わぁ、ケーキだぁ。翔くーん、タマちゃんがケーキ買ってきてくれたよぉ」


「未来、本当かぁ?」


ふふふ、翔は未来の言うことを疑ってる。


翔は実物を見るまでは信じない性格だもんね。


可愛いなぁ。


ケーキ1つで笑顔になるんだもの。


良かった、お土産を買ってきて。


私も自然と笑顔がこぼれた。

< 74 / 297 >

この作品をシェア

pagetop