恋する5秒前~無愛想なキミと~
夕御飯も終わり、翔や未来とリビングでテレビを見ながら寛いでいると
「環が買ってきたケーキを食べようか」
お母さんがケーキとお皿等一式お盆に乗せてリビングへ入ってきた。
「うん。未来、食べる」
勢いよく手を挙げる未来。
「俺も、俺も食べるっ」
翔も負けじと手を挙げた。
テーブルの周りに集まるとロールケーキをカットする光景を皆で眺める。
今日は珍しく家族全員揃っていた。
お母さん、里美ちゃんに翔と未来、そして私の5人。
お父さんは現在単身赴任中だから数には入れない。
均等にカットされたロールケーキをひとつずつお皿の上に乗せていく。
その作業を固唾を飲んで見守る二人の小さな瞳。
その瞳はキラキラと輝いていた。
ケーキって人を幸せにする魔法のような食べ物だよね。