恋する5秒前~無愛想なキミと~
良かった!
なんとか手紙を渡すことができたよ。約束を破らずに済んだよ。
ホッと胸を撫で下ろす。
ー環の気持ちがはっきりしないから前に進めないんじゃないの?ー
ー大丈夫、自分でなんとかするからー
カフェで香奈と話したことを思い出す。
本当に高森さんと付き合ってるのかな?
確かめてみる?
「桜井君、あの……」
「なに?」
「あのね、」
肝心なことを聞こうとしたその時
「隼人~、早く来てぇ。バスケ部の練習、始まってるんだから」
廊下から聞こえてくる女の子の声。