恋する5秒前~無愛想なキミと~
「瀬戸くん、どうする?どこか他で話を聞こうか?」
香奈が横にいると話しづらいかもね。
気を使ったつもりで言ったら
「いいよ、ここで話すから」
「そう?」
あっさり断られてしまった。
そうだよね、クラスの人がたくさんいるなかで二人きりで教室を出て行ったら、なにを言われるか分からないもん。
瀬戸くんだって私と変なウワサをたてられたくないだろうし。
クラスの女子たちは、私達の様子を静かに伺っている。
「ところで話ってなに?」
私の方から話を切り出す。
「み、水野さんってさ、今、付き合ってるヤツいるの?」
「えっ?……私っ?」
予想外の展開にあわてふためく私。
「うん。そう、付き合ってるヤツいる?」
念を押す瀬戸くん。
「ううん、付き合ってる人は特にいないよ」
私は頭を振って否定した。すると、