きみのためのプレゼント
十月五日。秋晴れの元、体育祭が行われた。保護者も見学可能だけれど、高校だからかあまり、保護者の姿はない。少しだけホッとした。


とはいえ、やっぱり車椅子で競技に参加するのは全く人の目が気にならないわけじゃない。


でも、ハルをはじめ、クラスのみんなが私の膝に玉を置いてくれて投げやすいように、サポートしてくれる。ありがたい。


だからクラスのために必死で玉を投げた。その姿にみんなの声援が聞こえてきて、応援って勇気づけられるな。


去年の大会も、あんな捻くれた私だったけど、もしかしたら声援を送ってくれていた人がいたのかもしれない。


それに耳を傾けることもなかった。いい意味で余裕がある今の自分を私は好きだと言える。


だから、少し恥ずかしかった応援合戦のダンスも一生懸命頑張ることが出来た。


今まで集団行動が苦手で避けていたけれど、デザインが採用された横断幕をみんなで作ることも、こうやって一つのことをみんなでやり遂げることも、それをやり遂げた達成感もみんな新鮮で心地いい。


私の出番は終わった。
やりきった。楽しかった。


いよいよ、翔平が出るクラス対抗リレー。翔平はアンカーだった。確か、うちのクラスのアンカーはバスケ部の三神くん。
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