きみのためのプレゼント
本当なら黄色のクラスカラーのTシャツの三神くんを応援しなきゃいけない。でも、やっぱり、私の視線は一直線に翔平へと向かっている。翔平を応援する黄色い声援。
悔しいくらい、堂々と応援出来る彼女たちが羨ましいけれど、心の中では目一杯応援してしまう。『翔平、頑張れ!』
いよいよ翔平の番だ。今のところ、うちのクラスが優勢。このまま三神くんへとバトンが渡れば、確実にうちのクラスが一位。
だけど、翔平に勝ってほしい。
「見てー!さあちゃん!三神くん、早いよ!」
アンカーの三神くんへとバトンが渡った。そして、少し遅れて翔平へも。その走りに驚いた。翔平、すごく速い。
どんどんと三神くんとの距離も縮まっていく。それにとても、フォームが綺麗。彼の走る姿に見惚れてしまう。
「頑張れー!頑張れー!!」
気がつくと車椅子の肘掛を力強く、ギュッと握りしめて、大声を出していた。翔平と三神くんが並んだ。ゴールまで数メートル。そして、僅差で翔平が一位を取った。
足の痺れなんか気にならない。車椅子から立ち上がり、一歩、 また一歩と私は、歩き出す。「さあちゃん?!」とハルが驚いても、みんながざわついても、私は歩みを止めない。
「・・・攫いに行くって言ったのに、待ちきれなかった?」
「待ちきれなかった!待たせすぎ!」
翔平まで後、数センチ。このほんのわずかな距離ですらもどかしい。そして、また自信満々にヘラヘラ笑みを浮かべる翔平にも腹立たしい。早く、この距離を埋めてよ。
「俺、ちゃんと目標を達成した。クラス対抗リレーに出て、沙織のクラスに勝って、一位にもなるって目標、達成した。俺、ちゃんと成長したでしょ?もうあんなセリフ言わせないから!」
「悔しいけれど、完敗。リレーも負けちゃったし、私も負けちゃった」
「その言葉、すごい嬉しいよ。やっと、言える。藤野沙織さん、俺と・・・」
悔しいくらい、堂々と応援出来る彼女たちが羨ましいけれど、心の中では目一杯応援してしまう。『翔平、頑張れ!』
いよいよ翔平の番だ。今のところ、うちのクラスが優勢。このまま三神くんへとバトンが渡れば、確実にうちのクラスが一位。
だけど、翔平に勝ってほしい。
「見てー!さあちゃん!三神くん、早いよ!」
アンカーの三神くんへとバトンが渡った。そして、少し遅れて翔平へも。その走りに驚いた。翔平、すごく速い。
どんどんと三神くんとの距離も縮まっていく。それにとても、フォームが綺麗。彼の走る姿に見惚れてしまう。
「頑張れー!頑張れー!!」
気がつくと車椅子の肘掛を力強く、ギュッと握りしめて、大声を出していた。翔平と三神くんが並んだ。ゴールまで数メートル。そして、僅差で翔平が一位を取った。
足の痺れなんか気にならない。車椅子から立ち上がり、一歩、 また一歩と私は、歩き出す。「さあちゃん?!」とハルが驚いても、みんながざわついても、私は歩みを止めない。
「・・・攫いに行くって言ったのに、待ちきれなかった?」
「待ちきれなかった!待たせすぎ!」
翔平まで後、数センチ。このほんのわずかな距離ですらもどかしい。そして、また自信満々にヘラヘラ笑みを浮かべる翔平にも腹立たしい。早く、この距離を埋めてよ。
「俺、ちゃんと目標を達成した。クラス対抗リレーに出て、沙織のクラスに勝って、一位にもなるって目標、達成した。俺、ちゃんと成長したでしょ?もうあんなセリフ言わせないから!」
「悔しいけれど、完敗。リレーも負けちゃったし、私も負けちゃった」
「その言葉、すごい嬉しいよ。やっと、言える。藤野沙織さん、俺と・・・」