きみのためのプレゼント
藤本くんが唐突にそんなことを言うもんだから、最初は少しだけ戸惑った。でも、多分エレベーターが設置してあるからだろう。
他の高校ではあまり、車椅子対応のためのエレベーターなんて設置していない。
「エレベーターがあるから」
「ああ。そうだね。それも一つの理由だけど、俺がね、身体障害者じゃないからだよ」
ヘラヘラ笑みをまた、浮かべて話す藤本くん。言ってる意味がサッパリわからない。身体障害者じゃない?
こう言っては本当に失礼だけれど、歩行困難で車椅子に乗っている時点で誰が見ても、誰に聞いても彼は障害者だと言うだろう。
「あっ、その顔は全く信じてないね。それもそうか。だから俺も今まで、こんなこと家族以外に知られたくないし、話したくなかったんだよね」
ヘラヘラ笑みは相変わらずだけれど、彼はそう言った後、空を見上げた。そういえば、今日は七夕だったんだ。なんとなく、私も同じように空を見上げた。
空には満天の星。陸上部に入って、ただ、毎日がむしゃらに走り続ける日々だったから、こんな風に夜空を見上げたのはいつぶりだろう。
「・・・星、綺麗だね。あのさ、とりあえず、足のことは分かったからそれ以上言いたくなければ、言わなくてもいいよ」
「・・・別に、興味ない?」
「それよりも、興味があるのは、どうしていつも笑っていられるのかってことかもしれない」
他の高校ではあまり、車椅子対応のためのエレベーターなんて設置していない。
「エレベーターがあるから」
「ああ。そうだね。それも一つの理由だけど、俺がね、身体障害者じゃないからだよ」
ヘラヘラ笑みをまた、浮かべて話す藤本くん。言ってる意味がサッパリわからない。身体障害者じゃない?
こう言っては本当に失礼だけれど、歩行困難で車椅子に乗っている時点で誰が見ても、誰に聞いても彼は障害者だと言うだろう。
「あっ、その顔は全く信じてないね。それもそうか。だから俺も今まで、こんなこと家族以外に知られたくないし、話したくなかったんだよね」
ヘラヘラ笑みは相変わらずだけれど、彼はそう言った後、空を見上げた。そういえば、今日は七夕だったんだ。なんとなく、私も同じように空を見上げた。
空には満天の星。陸上部に入って、ただ、毎日がむしゃらに走り続ける日々だったから、こんな風に夜空を見上げたのはいつぶりだろう。
「・・・星、綺麗だね。あのさ、とりあえず、足のことは分かったからそれ以上言いたくなければ、言わなくてもいいよ」
「・・・別に、興味ない?」
「それよりも、興味があるのは、どうしていつも笑っていられるのかってことかもしれない」