きみのためのプレゼント
「どうしたの?あっ、前髪か。ちょっと待ってね」
そう言った瞬間、前髪によって遮られていた視界が突然、明るくなり、目に映ったのは藤本くんの笑顔。
でも、私はすぐに顔を背けた。
「あれ?前髪じゃなかった?」
「・・・前髪だったけど、別に大丈夫だった」
顔を背けた状態で視線を合わせることなく、そう答えた。確かに前髪が邪魔だったけれど、何も息を吹きかけることなんてないと思う。
確かに両手が塞がってるからかもしれないけれど、いきなりそんなことされても耐性のない私には恥ずかしいという気持ちしかない。
そんな私にクスクスと笑う藤本くん。恥ずかしがらなくてもいいのに。なんて恥ずかしいに決まってるじゃない。
「はい、どうぞ。これが今日から藤野さんの足代わりとして働いてくれる車椅子です」
ふわりと下ろされた車椅子の上。当然、初めて乗るものなのでどうしていいのかわからない。
チラリと藤本くんを見るもヘラヘラ笑みを浮かべるだけ。
「・・・私、車椅子乗ったことないんだけど」
若干、怒り口調で彼に言う。それなのに、彼は「そうなんだ」とそれだけ。そうなんだじゃなくて、乗ったことがないからどうしていいのか分からないのに。
そう言った瞬間、前髪によって遮られていた視界が突然、明るくなり、目に映ったのは藤本くんの笑顔。
でも、私はすぐに顔を背けた。
「あれ?前髪じゃなかった?」
「・・・前髪だったけど、別に大丈夫だった」
顔を背けた状態で視線を合わせることなく、そう答えた。確かに前髪が邪魔だったけれど、何も息を吹きかけることなんてないと思う。
確かに両手が塞がってるからかもしれないけれど、いきなりそんなことされても耐性のない私には恥ずかしいという気持ちしかない。
そんな私にクスクスと笑う藤本くん。恥ずかしがらなくてもいいのに。なんて恥ずかしいに決まってるじゃない。
「はい、どうぞ。これが今日から藤野さんの足代わりとして働いてくれる車椅子です」
ふわりと下ろされた車椅子の上。当然、初めて乗るものなのでどうしていいのかわからない。
チラリと藤本くんを見るもヘラヘラ笑みを浮かべるだけ。
「・・・私、車椅子乗ったことないんだけど」
若干、怒り口調で彼に言う。それなのに、彼は「そうなんだ」とそれだけ。そうなんだじゃなくて、乗ったことがないからどうしていいのか分からないのに。