きみのためのプレゼント
「・・・た、ただいま」
自分で入ることも出来ないからとインターホンを、鳴らしてお母さんが出てくるのを待つ。緊張する。
ドア越しに物音が聞こえてきて、ドアが開いた瞬間、お母さんと目が合った。無言で私に駆け寄るお母さんに、そんなことしか言えない。
「沙織!心配したんだからね。何度も電話したのに、どうして出ないの?」
思ってもみなかったお母さんの第一声に思わず、後ろを振り向き、藤本くんと目配せをする。
そうこうしているうちに、目の前まで来たお母さんは車椅子に乗った私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「お母さん、あのね、私、足が・・・」
「あの、僕、藤野さんの隣のクラスの藤本翔平って言います。その、あの、藤野さんの足なんですが」
私が言いかけたところを、藤本くんが間に入る。私が説明するよりもいいと彼が思ったのかもしれない。私を抱きしめていたお母さんはパッと腕を離し、藤本くんに向き直った。
「送ってくれて、どうもありがとう。でも、この子は足が不自由なんです。そんな子を、こんな夜遅くまでつれまわすのはどうかと思うの」
自分で入ることも出来ないからとインターホンを、鳴らしてお母さんが出てくるのを待つ。緊張する。
ドア越しに物音が聞こえてきて、ドアが開いた瞬間、お母さんと目が合った。無言で私に駆け寄るお母さんに、そんなことしか言えない。
「沙織!心配したんだからね。何度も電話したのに、どうして出ないの?」
思ってもみなかったお母さんの第一声に思わず、後ろを振り向き、藤本くんと目配せをする。
そうこうしているうちに、目の前まで来たお母さんは車椅子に乗った私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「お母さん、あのね、私、足が・・・」
「あの、僕、藤野さんの隣のクラスの藤本翔平って言います。その、あの、藤野さんの足なんですが」
私が言いかけたところを、藤本くんが間に入る。私が説明するよりもいいと彼が思ったのかもしれない。私を抱きしめていたお母さんはパッと腕を離し、藤本くんに向き直った。
「送ってくれて、どうもありがとう。でも、この子は足が不自由なんです。そんな子を、こんな夜遅くまでつれまわすのはどうかと思うの」