Short
するとまた人が増えてきてわたしの手は流され吉澤くんの服の裾から離れた。
あ、はぐれた!やば!
「どうしよ…」
携帯をつけるが人が多すぎて電波が遠くなっていた。連絡もとれない…。
カウントダウンまで残り1分。盛り上がる周り。混みあう人。
このまま一人でもみくちゃにされながら新年を迎えるのかと思っているとふいにわたしの左手を強く握ってきた人が現れた。
「麻里、見つけた!焦ったあ」
「吉澤くん!」
ほっとした顔の吉澤くん。
わたしもほっとしたけど、掴まれている左手にドキドキしすぎてそれどころてはない。