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のぼるは最後までかばってくれて、しまいにはまわりの男の子たちと殴り合いになってしまった。
「いってぇ…」
「よ、吉澤くん、ごめんね」
先生に止められたあと、わたしたちは保健室に来ていた。
「まったく、喧嘩はだめよ喧嘩は」
そう言いながら保健の先生が吉澤くんの顔に絆創膏を貼る。
「痛い!」
「はい、帰っていいよー」
「先生、ありがとう…」
わたしは先生にお礼を言い、吉澤くんと一緒に保健室を出た。
「だ、大丈夫?」
「へーき!それより、桜井さんこそ、大丈夫?」
「わたしはぜんぜん!あの、庇ってくれてありがとう」
「いやいや、俺本気でむかついたから。喧嘩はちょっと弱っちかったけど」
そう言ってははっと笑う吉澤くん。
同じクラスだったけど、絡むことはなかったので初めてこんなに話した。