Short
「今までそーゆー夢を見なかったからさ」
「麻里、それは漫画の読み過ぎだよ。控えたら?」
「あたしが読んでるのは主に少年漫画なんだけど?」
漫画は確かに読むけど、恋愛物はあんまり読まないし…
キーンコーンカーんコーン
チャイムが鳴ったので席に着く。
先生が入ってきた。
「先週から言ってたように、今日は転校生を紹介するぞ!」
ざわつくクラス。ああ、そういえば転校生が来るとか言ってたな。
「吉澤!入れ」
入ってきたのは男の子。身長はわたしより少し高いくらい。
「吉澤昇(のぼる)です。よろしくお願いします」
メガネをかけた、少し細身の男の子。
少しだけ茶髪かかった髪の毛。
顔は前髪がかかっていてよく見えない。
「みんな仲良くしろよー。吉澤はあそこ座れ」
吉澤くんは先生に指定された席に座る。
窓側前から3番目。わたしの左斜め前。
周りと少しずつ会話をする声。受け答えを聞いていると悪い子ではなさそうだ。