Short



「俺、そろそろ帰らなきゃ」

「あ、うん」

「また、明日ね!」

「うん、じゃーねのぼる」


そう言ってのぼるは手を振ってジャングルジムから降り帰って行った。
なぜか分からないけど、わたしは1人になりたくてわたしも帰るとは言えなかった。

のぼるが校門を出たことを見届けると、わたしは自分の目から涙が流れていることに気付いた。

「のぼる…」

静かにジャングルジムで泣くわたし。
今日だけは許してね。明日は笑って見送るから。



たくさん泣いていたら気付いたら夕日が沈みかける時間になっていた。そろそら帰らないと…。


ランドセルを背負いジャングルジムを降りようとする。
するとスカートがジャングルジムの角に引っかかった。


「もう!」


わたしはそれを取ろうと誤って両手を離した。足元がぐらつき、わたしは鈍い音とともに意識を失った……。




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