Short



「ずっと好きだった。俺と、付き合ってください」


わたしはもうボロ泣きだった。なんで思い出せなかったんだろうと悔やむ思いもあるが、なによりものぼるのことが好きで仕方なくて、さっきの声も届いてたのも嬉しくて…。

「はい」


返事をするとのぼるはにこっと笑いわたしを抱きしめた。

そしてわたしたちは見つめ合い顔を近づけ合った。





−−−−−−−−


またわたしは夢を見ていた。


「麻里、麻里!」

わたしを呼ぶ声。前は声の主が分からなかったし姿もぼやけていたけど、今ははっきりと分かるよ。


「のぼる!」

「麻里、帰ろう」

「うん!帰ろー!」



夢の中の小4の姿をしたわたしとのぼるはふたりとも幸せそうな顔をしていた。
ランドセルを背負い仲良く歩くわたしたち。

今もこれからもずっと、この幸せが続きますように。






END





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