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昔、死んだおばあちゃんがこんなことを言っていた。
「一緒にいたいとか、ふと思い出したりとか、一緒にいて安心するとか、なによりもいなくなったら困る人はあなたにとって大切な人なの。そんな人がいつかまことにも出来るといいね?」
当時6歳だったわたしにはあまりピンとこなかったけど、12歳の今は少しだけ分かる。
おばあちゃんの話で例えるなら理緒が当てはまる。一緒にいたいし、安心するし、いなくなったら困る。
だから、理緒はわたしの大切な人。
「うおーー!今年も天気良くてテンション上がる!!」
海に来た。天気はすこぶる良くて太陽の陽射しが暑い。
理緒はテンション上がりすぎて海にさっそく駆け込む。
「こら理緒!ちゃんと準備運動しないと怪我するわよ!!」
「うるせーなー、大丈夫だよ!な!まこと!」
「えっ、えっ…」
理緒ママに怒られる理緒。話をふられるわたし。うまく答えられずそれにシビレをきらした理緒はわたしの腕を引っ張る。
「ほら、行くぞ!」
「ちょ…」
理緒はいつも、わたしを引っ張っていってくれる。
少し強引だけど、わたしはいつもそれが嬉しかった。