Short



佐々木まこと(14歳、女)
田中理緒(14歳、男)


数年たち中学2年になった。
去年1年生のときは理緒と同じクラスだったのに、今年はなんとバラバラになってしまった。


ど、どうしようどうしよう…。
理緒がいないと何もできなくなるわたし。
新しいクラスにドキドキしてしょうがない。


「理緒…」


窓側の端っこの席で、国語の授業中にすごく小さい声で彼の名前を呼んでみる。隣のクラスにいる彼には、聞こえるわけがないのに。


ガララララッ


「まこと!呼んだか!?!?」

授業中に突然教室の扉が開く。もちろん授業も止まる。

わたしの名前を呼んで堂々と立っている理緒は笑っている。


「こら!田中くん!なにしてるの!」

「だってよ先生!まことが俺を呼んだんだよ!な!まこと!」

「あなたはなに言ってるの。今すごい静かで誰も喋ってなかったのよ。さ、早く戻りなさい」

「ちぇーっ。まこと!また後でな!」


そう言って笑いながらわたしに手を振る理緒。
来てくれて嬉しかった。ほんとに聞こえたのかな?それとも偶然かな?

わたしはとてもうれしくてどきどきしたけど、それ以上にクラスのみんなの視線がすごくて恥ずかしかった。




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