Short


クラスは見事に別れた。

わたしはショックで仕方なかったが、今年から心に決めたことがある。

“少しでも、変わりたい”

理緒に頼りっぱなしは、良くないから。
クラスが別々でも、少しずつ、理緒を頼らないようにしないと…。


と、決めたのはいいものの、そんなうまくはいかず。
人見知りのわたしは入学してから1週間、まだ友だちと呼べる存在ができていない。

このままだと、中学の時の二の舞いになってしまう。


「まことー!俺今日も部活だから先帰ってて!ごめんな!」

「う、うん。」


理緒は高校から陸上部に入った。
足が速い理緒は入学してから勧誘を受けてすぐ部活に入った。だから理緒と一緒に帰れるのは週に1回くらいになった。

今日も1人か…。

そう考えながら下駄箱に向かうと後ろからトントンっと肩を叩かれる。


「佐々木さん、一緒に帰らない?」


話しかけてきたのは同じクラスの男の子。そしてもう一人女の子も立っていた。



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