あの甘い恋を思い出したら泣けてきた。
昼休み〜
んー?どこで食べるかな?
あ、音楽室空いてるかな?
空いてたら、ピアノでも弾こう!


『やまぴー、一緒に食べよう?』

俺には関係ないない。違うやつ呼んでるんだろ。さー、ピアノを弾きにいくぞー。

『なんで無視すんの?やまぴーってば』

ん?この声俺に言ってる?

『えっ?それ俺に言ってる?それにやまぴー?』

『え?山本君だからやまぴー。だめだった?』

いやいや、ちょっとまてー!

あだ名で呼ばれるのは悪くないんだが、女の子と一緒に昼飯を食べるだとー⁉︎それはちょっとむりだー!

話しかけてきたこの声こそ俺が淡い片思いをすることになる豊穣梨奈だ。

あの時すれ違っていることをまだ二人はしらない。



『ごめんー!また今度ー』

そう言って俺は教室を出た‼︎


あぶねー!もう恋なんて絶対にしないって決めたばかりだ!

言ってるそばから心臓に悪いわー!


そんなことを思いながら音楽室に着いてご飯を食べた。

おっ!ピアノあるじゃん‼︎


さて何を弾くかな?


あー、自分で作った曲を弾けばいーか。


曲を弾きながら歌っていると


『ピアノの音聞こえるね。誰かピアノ弾いてるのかな?しかも歌ってるよしかもいい声。行ってみよ。』

ま、まずい。ピアノ弾いてる所見られたら噂が立つ。

日常の生活が送れなくなるじゃないか。


ただへさえ顔そんなよくないのにこんなことばれたらからかわれるぞ。

どうするべきか。隠れろー。


『あれ?おかしいな〜。確かに聞こえたのに。
気のせいだね。向こう行こー。』

ふー。もう行ったか?

あたりを見渡す俺。

『よし続きを弾くか。ピアノを弾いてるだけで癒されるからな。あー楽しい。』

そうやって浮かれて歌っていると油断大敵とは

この事だと思い知らされる。

『あーやっぱりいた。ピアノ上手ですね。』


いつの間にか女子が周りにいた。


『え?向こう行ったかと思ってたのになんで?』

気配にすら気づかないなんて俺もまだまだ甘いな。


『隠れてるの分かってましたからかまかけてみたんです。甘いですね。』



くそー。俺とした事が女の子の策略にはまるとは山本九三郎一生の不覚だ。


そんな事を思っていると

『なんで一人でいるんですかー?』


集まってきた女子みんながそうきいてくる。

『一人の方が楽だから。片思いとかする事も無いでしょ?』


俺がそう言うとふふっ可愛いとか言ってくる。

『俺何か面白い事言ったかな?』

そう聞くと

『名前なんていうんですかー?』

なんで名前聞いてくるんだろ?

そんなの周りのイケメンに声かけて聞けば良いのに、なんで俺なんかに⁉︎

まー、答えないのも野暮ってもんか。

『一年三組、山本九三郎。』
そう答えてあげた。


『九三郎さん、私貴方の事一目惚れしちゃったみたいです。必ずあなたを落としてみせます。』

ん?一目惚れ?必ず落としてみせる?

この子は何を言っているのだろう?

俺が君に落ちるわけ無いのに。

『俺を落とすのむりだと思うよ?恋愛なんてしないって決めてるから。』

そう答えた。

そしたら、
『一年五組私の名前は花咲可憐。覚悟してくださいね。』だって。

これから俺の日常がおかしなことになりそうです。




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