俺様上司に、跪いて愛を乞え
順路の終わりには、ショップがあって、水族館の生き物のぬいぐるみがたくさん置かれていた。

その中に、海ガメのぬいぐるみもあって、「かわいい」と、手に取った。

「…かわいいって、海ガメがか?」

「うん…かわいい…」甲羅もふかふかでやわらかな、丸い大きな目の付いた海ガメのぬいぐるみは、なんだかすごくかわいらしく感じられた。

「そんなに気に入ったんなら、買ってやるよ」

言われて、「いいです」と、棚に戻す。

「いいから、買ってやるって」

部長が棚から取り上げて、レジに持っていく。

その背中を見ながら、だって服も買ってもらったのに…と、思う。

いつもは見られない部長のやさしさに、どう向き合ったらいいのか、わからない自分がいた。
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