俺様上司に、跪いて愛を乞え
ーー部長が出ていって後、急に広い部屋にぽつんとひとり取り残された気がした。

見回しても他に誰の気配もない部屋は静かで、ひどく寂しく感じられた。

「さっきまでは、いっしょだったのに……」

呟いて、ベッドに座り、買ってもらったぬいぐるみを抱いた。

どれくらいそうしていたのか、ふいにまた身体が熱くなってきたのを感じた。

治まっていた熱が、ぶり返してきたみたいで、急激に体温の上がる身体に、寒気が走って、ベッドに倒れ込むように横になった。

「はぁ…、はぁ…」と、息づかいが荒くなって、

起きて、濡れたタオルぐらい持ってこようと思うのに、身体があまりにだるく重たくて、

起き上がることさえできなかった。

「苦…しい……」

熱く火照っていく身体から、汗が噴き出してくるのがわかった。
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