俺様上司に、跪いて愛を乞え
ひとしきり笑った恵利が、急に真顔になって、

「でも、あの部長って、どういう風に乱れるんだろうねぇ…」

と、言い出した。

「み…乱れるって……」

思わぬ言葉に、アルコールも手伝って一気に妄想が広がりかける。

「……だって、あんな冷酷部長だって、乱れたりすることもあるはずなんだから……」

声をひそめる恵利に、

「ないない! 想像できないってば!」

と、ぶんぶん手を振って否定する。

「そおぉ~?」

恵利が、わざとらしく語尾を上げる。

「ふふ…まぁ、ウブなまゆには、刺激が強いかな…」

言いながらニヤニヤする恵利のおかげで、膨らんだ危うい想像を、頭の中から全力で追いやったーー。
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