俺様上司に、跪いて愛を乞え
「ねぇ、まゆ。新藤部長に、なんかアプローチとか、してみたことあるの?」

ランチを食べ終わって、恵利が聞いてくる。

「ない…そんなの。だって、どう近づいていいかも、わかんないし…」

「ああ、そうだよねぇ…」

アイスコーヒーを飲んで、

「付け入る隙もなさそうだし…どこにも」

恵利が言う。

「なんか、どうにかならないのかな…」

口にすると、

「性格がさぁ~…だって、アレだし…」

恵利がストローをくわえたまま、私の方を上目に見て、

「たださ、あれじゃライバルもたぶんいないと思うから、そのうちなんとかなるんじゃない?」

そうケラケラと笑った。
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