俺様上司に、跪いて愛を乞え
胸の痛みをおさえ込んで、

「…すぐに、買ってきます!」

と、会社の外へ駆け出したーー。

ーーシャツを見つけて買って帰ると、部長に差し出した。

「……なに、まゆ、パシリみたいなことさせられてんの?」

驚いた顔で見る恵利に、

「部長のシャツに、コーヒーこぼしちゃったから、それで……」

と、答える。

「え…私がいない間に、何があったのよ?」

「うん、だからコーヒーが……」

「コーヒー、コーヒーってさぁ…まゆ?」

恵利に肩をつかんで揺すぶられている内に、『使えない奴』とまで言われたのが思い出されて、涙が流れた。
< 46 / 131 >

この作品をシェア

pagetop