俺様上司に、跪いて愛を乞え
「恐くはないんなら、なぜ震えてるんだ」

と、手首をつかまれた。

「……なんで、ですか…」

腕をつかまれたまま、おさまらない震えに、やっとそれだけ言う。

「部長は、なんで私のことなんか……」

涙が落ちてきそうになって、顔をそむけた。

「もう、かまわないでください……私なんか」

つかまれていた手首を振りほどくと、そこは強く握られて赤くなっていた。
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