俺様上司に、跪いて愛を乞え
取引先では、言われた資料を渡したり、調べた補足情報を伝えてサポートをして、

大半は新藤部長が話を進めていく形で、予定通りに打ち合わせは終わった。


終わって、少し体の力が脱けたみたいにも感じた。

普通に歩いているつもりなのに、足がふらついてきて、前を行く部長に早く追いつかないと…と、走った。

走ったら、頭がくらくらして立っていられそうにもなくなって、前のめりに体が倒れた。


「…おい、北城、どうした……?!」


新藤部長の声が、耳にぼんやりと届いた。



「……どうしたんだよ…おい! まゆ…!」


部長が、私を名前で呼んで、倒れかかる体を、両腕で抱きかかえた。
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