俺様上司に、跪いて愛を乞え
「このまま、家まで送るか?」

部長の問いかけに、首を左右に振る。

「……部屋に、行きたいです。明日は、もう休みですし……」

「部屋? 俺の部屋か?」

首を一度だけ縦に振る。

「熱は、もうないか…」

と、額に片手が伸ばされた。

肌に部長の手のぬくもりが伝わり、離れていく。

「はい…もう…」

信号で車が止まって、ハンドルを握る部長の横顔をじっと眺めた。

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