ピアスの秘密
朝起きて、7時にいつもと同じように夫を送り出した。

次は子供たちが出る。

「ママは今日出掛けるから、鍵を持っていってね」

「うん。何時に帰ってくるの?」

「5時までに必ず帰ってくるから、一時間くらいだけ2人で仲良く待っててね。」子供たちは、久しぶりの留守番がうれしそうだった。

「2人で帰ってきて、すぐに鍵をかけて、宿題しといてね」

「はーい!わかった。」

「いってらっしゃい…」

「いってきまーす!」

二人の子供の後ろ姿に、謝った。

「ごめんね…」

時刻は7時50分

急いで着替え、領からもらった小さな宝石箱を鞄にいれて、京都駅に向かった。
そして発車間際の新幹線に飛び乗った。

座席に着き、息も切れ震える体に深呼吸をした。

東京に向かっているんだ…
大胆な自分にびっくりした。

会えないかもわからないけれど、家で一人、会えたかもしれないと後悔するのが嫌だった。

落ち着かなくて目を閉じた。


新横浜の手前で目が覚めた。
慌てて領の携帯を鳴らしたが出なかった。


不安でドキドキしながらメールを送信した。


《緊急事態です!(^^)》

あまり深刻にならないようにした。
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