ピアスの秘密
ベッドの中で、遠くで携帯がなっていたが動く気になれなかった。


二度目に鳴ったとき、領は飛び起きた。


ちひろさんからだ!

領はちひろの着信音だけ変えていたので、気付くことができた。

割れそうな頭痛と重い体でリビングにある携帯を取りに行き、メールをみてすぐにかけなおした。


「はいっ」


「ちひろさん!今メールをみた。緊急事態って?」
慌てた領がかわいい。


「今日の昼間、空いてる?」

「今日は1日中、寝るつもりだったから…緊急事態って?」


「東京に後30分くらいで到着します」


「うそっ…」


「ほんと。来ちゃった」

「じゃあ迎えに行く。今からすぐ向かうから、東京駅についたら電話してね。」

「わかった。ありがとう」
「じゃあ後で…」

領は急いで準備をして、まだすこし酒が残っていて頭痛をこらえ、タクシーで東京駅に向かった。

ちひろは新幹線の中で、落ち着かなかった。

領くんに会える…

そして、髪をなおしリップも丁寧につけた。

そして、もらった小箱を開けイヤリングをしようとした。
ちひろはこの時始めて知った。

それはイヤリングではなく、ピアスだった。
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