ピアスの秘密
携帯が鳴った。里香からだった。
「はいっ!」

「ごめんね、運転中で気付かなかってん。どうしたん?」

「すごい事が起きたよ。」

「何?何?早く言うてよ!」

「私から里香に、クリスマスプレゼントがあるねん。」

「もう早くいってよ!」

「イヴの、コンサートのチケットが取れたよ!」

「きゃー!うそ!ほんとに?うれしい!ありがとう。何で、何で取れたん?」

「今日、郵便で送られてきてん。」もったいぶって話した。

「でも誰から?」そうくると思った。

「それが、差出人、青木ってかいてあるねん!」

「青木って、領君?すごいなぁ。チケットだけ入ってたん?連絡先とかは?」さすが里香だ。

「残念ながら、チケットだけ。うれしくて寝れないよー。楽しみやなぁ。」

「舞台見れなかったから気に掛けてくれたんやねぇ。いい子やなぁ。エレベーター止まってよかったね。」

「うん、よかったかも!」私もそう思ってた。

「ちひろが友達でよかったわ。ありかとう。じゃあ、またね。」

「また買い物行こうね。バイバイ。」里香も予想以上に喜んでくれた。

2枚分送ってくれた彼の心遣いがとてもうれしかった。
毎日が、あっと言う間に過ぎていった。


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