ピアスの秘密
明日、久しぶりに里香にあう。きっとあの日の事を聞かれるだろう。

やっぱり、話そう。

里香なら、わかってくれるはず。

今日はいい天気だし、里香と待ち合わせのお店までぶらっと歩いてみた。

頭の中は、今日も朝から彼でいっぱいだった。無理矢理追い出そうとしてもだめだった。

日々私の中で、彼の存在が大きくなっていた。


私が先に着いた。20席ほどのコーヒーがおいしいパン屋さん。席に座ると、すぐに里香がきた。

私たちは、ベーグルランチを頼んだ。

「コンサート最高だったね。あれからFは人気出てきたね。CMが増えたし、雑誌にたくさんのってたわ。」と里香が言った。

「私もそう思うわ。」

「ところで、気になってたけどコンサートの後、何処に行ったの？」

「うん、ホテルのラウンジ。」私はまたあの日の事を鮮明に思い出した。

「誰と？男？」里香がじっと私を見ている。

「青木領くん…」

「えーっ！ほんとに？すごい！いい人だった？」里香はびっくりして、慌てていた。

「うん、いい人だし、やっぱり格好よかった…」と言いかけたら、胸がいっぱいになって、私は泣き出してしまった。

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