ピアスの秘密
私はﾜｸﾜｸしながら、ｴﾚﾍﾞｰﾀｰの扉が開くのを待った。しかし、開かない。中から扉を少し叩いてみたが開かない。

ｴﾚﾍﾞｰﾀｰの中で一人、私は少し恐くなったが、その時ｽﾋﾟｰｶｰから領君の力強い台詞が聞こえてきた。

｢僕はやりとげなければならない。力になってほしい｣
どうやら舞台は何もなく続いていて、私はほっとした。そして、扉はすぐに開くと思っていた。お芝居のやりとりが聞こえ、私は目を閉じて、衣裳や舞台背景を想像したら、恐怖心から少し解放された。

しかし、まだ開かない。

私はｴﾚﾍﾞｰﾀｰの中に設置してあるｲﾝﾀｰﾌｫﾝのﾎﾞﾀﾝを押そうとした時、ｲﾝﾀｰﾌｫﾝから声がした。

｢すみません、ｴﾚﾍﾞｰﾀｰの中に誰かおりますか？｣初老ぐらいの穏やかな男性の声だった。
その声を聞いて、私は大きな事故じゃないなぁと感じ、少しほっとした。
｢います！どうなってるんですか？早く開けてください。｣

｢えっ！おるわ！どうする？ちょっと待っててください？救急隊よびますわ。｣初老の男性はすごく慌てているようだった。

｢私は元気です。いったい何があったか教えてください。｣
｢……｣
｢もしもし？｣私もだんだん不安になってきた。

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