ピアスの秘密
坂本は左側にバーテンが居るカウンターを見つけ、一番左の席へ座った。
ジントニックを注文し、正面に目を向け、そのまま右端までゆっくり大阪夜景を眺めた。
デビューから3年、無我夢中で仕事をやってきてよかったと初めて思えた。
うれしかった。
そう思えたのは一瞬だった。
坂本は息を飲んだ。
右端一番奥の女性にドキドキして目が離せなかった。
少し小柄だけれど、髪も少し短いけれど、あの笑顔、あの綺麗な髪、ミナを確実に連想させる人だった。
そして何よりも、その人の隣に座っている後ろ姿の男は、部屋に居ると思い込んでいた領だった。
二人が気になって落ち着かない。領にむかって優しく微笑んでいる。胸が痛む。
まるで坂本の知らないところで、領とミナが密会しているように思ってしまう。
頭がおかしくなりそうだった。
グラスを手に取り、一気に飲み干しすぐに部屋へ戻った。
ミナの事が忘れられない。坂本を利用しようとし、人生を狂わせたミナ。
本当は坂本のためと姿を消したかも知れないミナ。
お腹の子は本当に誰の子供なんだろう。
ミナに会って話がしたい。でもその時こそ、Fの仲間、仕事、全てを失ってしまう。
ジントニックを注文し、正面に目を向け、そのまま右端までゆっくり大阪夜景を眺めた。
デビューから3年、無我夢中で仕事をやってきてよかったと初めて思えた。
うれしかった。
そう思えたのは一瞬だった。
坂本は息を飲んだ。
右端一番奥の女性にドキドキして目が離せなかった。
少し小柄だけれど、髪も少し短いけれど、あの笑顔、あの綺麗な髪、ミナを確実に連想させる人だった。
そして何よりも、その人の隣に座っている後ろ姿の男は、部屋に居ると思い込んでいた領だった。
二人が気になって落ち着かない。領にむかって優しく微笑んでいる。胸が痛む。
まるで坂本の知らないところで、領とミナが密会しているように思ってしまう。
頭がおかしくなりそうだった。
グラスを手に取り、一気に飲み干しすぐに部屋へ戻った。
ミナの事が忘れられない。坂本を利用しようとし、人生を狂わせたミナ。
本当は坂本のためと姿を消したかも知れないミナ。
お腹の子は本当に誰の子供なんだろう。
ミナに会って話がしたい。でもその時こそ、Fの仲間、仕事、全てを失ってしまう。