ピアスの秘密
うしろめたい気持ちのせいか、少しでも早く家へ帰る方がいいような気がしたから、駅から自宅まではタクシーに乗った。

タクシーの後部座席でまた思い出してしまう。夢みたいだった。

住宅街に入いる時、子供たちがよく行く公園に一台の高級車が止まっていた。

街灯はあまり明るくなかったたけれど、助手席に乗っていたのは間違いなく里香だった。

ちひろはびっくりした。

夜の11時過ぎ、運転席には男が乗っていて楽しく話していたように見えた。

もう家につくというのにドキドキして落ち着かなかった。
ちひろは家に入ると、明日はゴルフなので主人が先に寝ていたのでホッとした。
自分は領との楽しかった時間を思い出したかったのに、さっきの里香が気になって気になってしかたがなかった。

領はなかなか寝付けないまま、見るつもりもないのにぼーっとテレビをみた。

事務所が用意したこの部屋にちひろを呼ぶわけもいかないし、でも一人の泊まりなんて珍しいし、そう考えていたら、誰かがきた。

ピンポン

時計を見たら12時過ぎ、いったい誰だろう。

「はい…」

「領か?俺だ。いいか?」

「うん、いいよ。」
すぐにドアが開いた。
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