ピアスの秘密
「悪いなぁ。寝てたか?」
「別にいいよ…明日来るって言ってたよな?」

「あっ、そうだな。最終間に合ったから、俺だけ先に来た。みんなは明日飛行機でな。」
マネージャーの坂本だった。
部屋を見渡して、
「俺も部屋とったし、戻るわ。明日10時出発で、おやすみ。」

「あぁ、わかった。おやすみ。」

坂本は帰っていった。

領はすぐに感じた。
撮影後に、友達と会うと言って現場から急いで帰ったこと。

今夜は一人でホテルにとまること。

きっと女性を連れ込んでいないか確かめに来たんだろう。

少し気分が悪いが、本当に一人でよかったと思った。
なんだか急に眠たくなって、そのあと眠りについた。
坂本は自分の部屋へ帰った。
他メンバーの三人は要領がいいせいか、ほどよくうまく遊んでいるようだけれど、領は無口だから、プライベートがなかなかわからなかった。

その分、気になるし、何よりもミナ似の女性がちらついてしかたがなかった。

それに、ミナの問題でグループから脱退させられた坂本は、領とちひろが二人で会っているところをみて、どうしても見守る気になれなかった。

一人部屋でのんびりしていた領をみて安心した。
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