腹黒エリートが甘くてズルいんです


席に戻ろうとすると、何やら先輩と由依が話し込んでいる。

遠目に見ると、中々お似合いな感じ。なーんて、由依に言ったら怒られそう。


「お待たせしましー……あれ?」


テーブルの真ん中に、こんな居酒屋には不似合いな丸いケーキが一つ。
こんなメニュー、あったんだっけ? 気がつかなかった。

「何故あたしがいない間にお誕生日会が始まっているんですか?」


あたしの呟きに、先輩が『もーーーーー』と、言いながらのけ反る。


「お前の便意のタイミングの悪さ何なんだよマジで! テロか!」


『いやう○こじゃないし!』と言いそうになるのをぐっと堪えて由依を見れば、涙を流しそうになりながら笑っている。


「……なんなんですか?」


「あとあれな、丸いケーキが全て誕生祝いみたいな貧困なイメージなんとかしろよな」


あたしの質問をふんわりシカトして何をグサグサと、酷いことを言うのだこの人は。

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