腹黒エリートが甘くてズルいんです
「正直に教えてもらえます?」
「……嫌だ」
だだっ子のように唇を尖らせ、頑なに言おうとしない先輩。
「ほら、あの、あれだ」
先輩があたしのスマホを指差し、言葉を探す。
「酒井と会って、直接聞いて!大丈夫、別に俺達がグル組んで、裏でお前を潰そうとしてるとかじゃないから!むしろ、いい話だから!」
……やっぱり知り合いなんだ。しかも、裏で何かしらのやりとりをしていたんだ。
なんなのさ、一体。
完全に消化不良のあたしと、訳がわからない状態の由依と、のらりくらりとこの場をやり過ごそうとする先輩。
そんなメンバーで、この間の、あたしと先輩と小野君とで参戦した、松永物産との飲み会の話を面白おかしくされても、どうしても『その飲み会イコールどうして先輩と酒井君が知り合いなの?』というあたしの気持ちが滲み出てしまい、盛り上がるわけもなく。
ラストオーダーだ、と宣言されるちょっと前に解散することになった。
先輩と由依と別れた帰り道、おもむろにスマホを取り出す。
酒井君に、何とメッセージを送ればいいのか、頭の中で何度も考えては取り消す。
酔いなんて、とっくに吹き飛んだ帰り道だった。
「……嫌だ」
だだっ子のように唇を尖らせ、頑なに言おうとしない先輩。
「ほら、あの、あれだ」
先輩があたしのスマホを指差し、言葉を探す。
「酒井と会って、直接聞いて!大丈夫、別に俺達がグル組んで、裏でお前を潰そうとしてるとかじゃないから!むしろ、いい話だから!」
……やっぱり知り合いなんだ。しかも、裏で何かしらのやりとりをしていたんだ。
なんなのさ、一体。
完全に消化不良のあたしと、訳がわからない状態の由依と、のらりくらりとこの場をやり過ごそうとする先輩。
そんなメンバーで、この間の、あたしと先輩と小野君とで参戦した、松永物産との飲み会の話を面白おかしくされても、どうしても『その飲み会イコールどうして先輩と酒井君が知り合いなの?』というあたしの気持ちが滲み出てしまい、盛り上がるわけもなく。
ラストオーダーだ、と宣言されるちょっと前に解散することになった。
先輩と由依と別れた帰り道、おもむろにスマホを取り出す。
酒井君に、何とメッセージを送ればいいのか、頭の中で何度も考えては取り消す。
酔いなんて、とっくに吹き飛んだ帰り道だった。